くも膜下出血になったら » 【体験談】くも膜下出血克服の記録 » 数カ月前から予兆があったDさん(30代女性)

数カ月前から予兆があったDさん

30代女性

発症前数ヶ月の間、首から肩へのこり・こわばり、左手首周囲の痛み、視力の落ち込みなどを実感していたDさん。パソコンの仕事がたたり、持病の腱鞘炎ではないかと思っていたといいます。かかりつけの病院では様子を見るようにいわれていました。

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鉄アレイで殴られているような痛み!自力で119番

夏場だったこともあり、頭痛を鎮痛剤で抑えながら水分補給に努めたというDさん。しかしながら、その痛みと吐き気は時間を経過するごとに増して行きます。

まずは汗を流そうとシャワーを浴びますが、このとき一瞬にして頭痛が増しました。バスタオルに包まりながら床に倒れこみます。

まるで鉄アレイででも殴られているかのような痛みは、鼓動とリンクしてズンズンと響きます。再度鎮痛剤を飲み、最低限の身動きが取れるようになった間、バッグにお財布やタオルを詰めながら自力で119番へ電話をし、3階から1階へ自分の足で降りました。

救急車の中で症状など必要事項を聞かれましたが、体に力が入らなかったためきちんと話ができていただろうかとDさんは振り返ります。

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検査を受け、病名を告げられ…

救急車で搬送された病院では、様々な検査を受けました。とはいえDさんは記憶もおぼろげで、何がどんな手順で行われたのかは覚えていないそうです。

検査結果が医師から伝えられる頃には意識もはっきりしていて、「転んで頭でも打った?」「いいえ」「頭を打ったときの状態に似てるんですけどね…」というやりとりをしました。

検査結果は「くも膜下出血」。すぐにICUに入ることが決まりました。

一人暮らしで、部屋を慌てて出てきたDさんは、開けっ放しの窓や、翌日からの仕事のことなども心配でしたが、自宅に戻ることは一瞬たりとも許可されなかったそうです。

ICUに入り、CTスキャンを撮った後、医師がベッドにやってきて改めて脳内に出血があったことを説明してくれました。しかもふたつも…。

より詳細に検査・治療ができる病院に移ることになり、救急車で運ばれることになりました。

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今思えば…予兆や危険因子があった

今思うと、Dさんには「予兆」とも思える症状があったといいます。

実際に音はしていないのに、家電がうなるような「ぶーん」という音を感じていたり、左側の首・肩のこわばりや、目がとても疲れてしまったりすることもあったそうです。

仕事でパソコンを使うことがとても多かったですし、そもそも腱鞘炎という持病を持っていたため、「単なる疲れだろう」と思っていたというのです。

「このような、一見“疲れ”と思える症状は、今現在どんな方でも感じているのではないでしょうか」とDさんは警鐘を鳴らします。

しかも、リスクとなる喫煙や飲酒の習慣があること、発症数日前には特に大量の飲酒をしていたこと。何より、最大のリスクと言われる高血圧の症状があったことなど、危険要因だらけだったことがわかったそうです。

4

ICUでの闘い、左脚部麻痺

次の病院で、Dさんは、左側の手足や顔の感覚が鈍っているかも、ということに気づきます。骨髄液検査や血液検査を受けましたが、CT・MRIでも診断が付かない場合は更なる検査「髄液検査」をしなければならないことを告げられます。局部麻酔のうえ、後頭部から髄液を取り精査する方法です。

しかしながら、Dさんには、造影剤検査によるアレルギーが出てしまいました。とても珍しいことではあるものの、こうなると二度目の造影剤検査は行えなくなるので、何度となくMRI検査を行わざるを得なくなりました。

各種検査と並行して、リハビリが始まりました。歩く・リハビリ用サイクルをこぐといった簡単なことを行って数日、左足が上がらなくなってしまいました。左足を引きずるようにしか進めなくなり、「一退」してしまったDさんは、回復しつつあった症状に喜んだのもつかの間、残念なことにICUへと送られ、バイタルチェックのためのコードや点滴がつながれてしまったのです。

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ICU再入室から一般病棟へ

突然ICUへと移動させられてしまったDさんは、ラッキーなことに翌日には一般病室へ移ることができました。ICUに最も近い病室であること、二人部屋なのに一人で入れることは、頭痛で声を上げてしまうDさんにとってうれしいことでした。

いつもの尿測とMRI検査を済ませて、一般病室へ移動となりました。

ICUから一般病室へ移ったDさんは、一瞬ではあったものの気持ちが楽になったといいます。ICUにつきものの様々な電子音や看護師さんたちが足しげく通ってくる音から解放されたのです。

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検査について

Dさんは、入院して毎日のように何かしらの検査を受けました。CTやMRI、造影CT検査から造影MRI検査、各種血液検査が、まさしく日課のように行われていたそうです。

特につらかったのがカテーテルMRI検査で、麻酔の上、手首動脈からカテーテルを挿入。毎日の検査・リハビリでくたびれ果てていたDさんは、検査前の説明もまともに理解できていなかったようです。ただただ、医師や看護師に言われるままに息を止めたり吐いたり…。

検査の後は、止血用のリストバンドを3時間ほど装着します。何せ動脈からカテーテルを入れるのですから、検査後の出血は怖いもの。反対側の腕には点滴、右手には止血バンド…とてもつらく怖かったとDさんは振り返ります。

7

退院後の生活

Dさんが退院して3カ月、脳にかかる圧迫感は時々現れるようです。疲れやすさものこっています。

肩から背中にかけての痛みはのこっていて、湿布や漢方薬で対処しているとのこと。また、左足のむくみ、視力の低下、まぶたが重たく感じる症状ものこっているそうです。

ある日、クリーニング屋さんを訪れた際、その店主もまた20年ほど前にくも膜下出血を経験したという話を聞きました。

額には手術の傷がのこっていて、「手術後から1週間の記憶がない」とおっしゃっていたそうです。いずれにせよ、その方も対処がスピーディーであったことから後遺症もなく、今もお元気なご様子だったそうです。

店主が後遺症なく回復したのも、若いときに発症したことや対処の速さが決め手だったのだろうとDさんはいいます。


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