食生活の改善

食生活の改善

くも膜下出血の発症は食事によって予防できる

くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂して発症し、脳に後遺症が残ることもある恐ろしい病気です。脳卒中を予防するためには、くも膜下出血を引き起こす原因を解消していくことが必要ですが、その原因の解消のために役立つのが食生活の改善です[※1]。 毎日の食事をしっかりと見直して、理想的な食生活をしていくことが、くも膜下出血予防の一番の近道だと言えます。

最大のリスク要因・高血圧を予防&改善

高血圧で高まる、くも膜下出血のリスク―血圧が上がると血管が破れやすく

高血圧の方はくも膜下出血のリスクが高まると言われていますが、血圧が高くなると血管に負担がかかり、弱くなった血管が破裂しやすくなるためです。 くも膜下出血の予防や再発予防では、目標とする数値は140/90mmHg未満とされています[※2]。高血圧を食事で予防するためには、まずは塩分摂取量を抑えることが必要です。

高血圧予防のための理想的な塩分摂取量は?

食塩の理想的な摂取量は、1日あたり8g以内が理想的ですが、難しければ1日10g以内に抑えるようにしましょう[※3]。 また、日本高血圧学会のガイドラインによると、高血圧の予防と治療のための塩分目標摂取量は、1日あたり6gとされていて、厚生労働省もこの数値を推奨しています[※4] [※5]。 

塩分摂取量を抑えるためには調理法も大切

塩分の摂取を控えるためには、食塩量の多い麺類、丼物を避けることと、外食を控えることが大切。また、食事を調理するときにちょっとした工夫を施すと、塩分を抑えながら美味しい食事を楽しむことができます[※3]

  • 甘い料理、酸っぱい料理などと組み合わせる食塩で味付けした料理だけではなく、甘味の強い料理、酸味の強い料理と組み合わせることで、塩や醤油の味付けを引き立たせることができます。

  • 食塩を使った料理も用意して味にアクセントをつける全ての料理で食塩量を控えると、物足りなさを感じてしまいます。食塩を抑える料理と、食塩を多めに使う料理を用意すると、味にアクセントがついて満足できるでしょう。

  • おかずを中心とした食事にするご飯を食べるためのおかずにすると、食塩量が多くなりがち。おかず中心の食事にして、ご飯がなくても食べられるような味付けを目指します。

塩分を排出するために摂取したいミネラル

摂取した塩分をスムーズに排出させれば、高血圧を予防することに繋がります。ミネラルは塩分の排出を促進させるため、積極的に摂るようにしてください。

  • カリウム腎臓からナトリウムの排出を促進させてくれる成分で、1日2,000mgが摂取目安量です。高血圧の予防を目的とする場合、3,500mg程度の摂取がおすすめ。トマトやジャガイモなどの実を食べる野菜、果物に多く含まれます[※3] [※6]

  • カルシウムカルシウムを多く摂取すると、血圧の数値が下がるという報告があります。他のミネラルや食物繊維との相乗効果によって高血圧を予防してくれるでしょう。牛乳などの乳製品やモロヘイヤ、小松菜に含まれます[※7]

  • マグネシウムマグネシウムとカルシウムの量は「1:2」が良いと言われ、このバランスによって、血圧調整機能がスムーズになると言われます。カルシウムは血管を収縮させますが、マグネシウムによって収縮が抑えられ、高血圧を予防するのです。ナッツ類やゴマ、大豆に含まれます[※7]

血液サラサラにして動脈硬化を予防・改善

動脈硬化は血管が壊れやすくなった状態―くも膜下出血の原因にも

動脈硬化とは、血管が狭くなって血液が流れにくくなることで、動脈が老化することによって引き起こされます。血管にコレステロールや脂肪が付着すること、高血圧による血管への負担などが原因で、血管の壁が分厚く、硬くなり、血管が壊れやすくなった状態のことです[※8]
壊れやすくなった血管はくも膜下出血を発症する原因となるので、食事を改善して、動脈硬化を予防しましょう。

動脈硬化を予防するには「血液をサラサラにする」こと

血液中のコレステロールや脂肪が多くなると、血液がドロドロになり、脂肪などが血管の中に付着して動脈硬化を引き起こします。そのため、動脈硬化の予防には、血液をサラサラにすることが先決。
日本でも、食生活の欧米化によって、コレステロール値はどんどん上がってきていると言われます。動脈硬化を予防するには、脂っぽい食事やカロリーの高い食事は避けるようにしてください[※9]

血液をサラサラにする食品と栄養素

血液をサラサラにする食品は何?積極的に取りたい食品は?

血液をサラサラにしてくれる食品と栄養素は、次のようなものが代表的です。

  • DHA・EPA青魚に多く含まれているDHAやEPAは、コレステロールや中性脂肪の上昇を抑えてくれます。また、タコやイカに含まれるタウリンと一緒に摂ると、より効果的です[※10]

  • クエン酸酸味の成分であるクエン酸は、血流を改善することによって、動脈硬化を予防してくれる成分です。クエン酸はレモンの中に多く含まれています。塩分に注意すれば、梅干しから摂取するのも良いでしょう[※11]

  • アルギン酸海藻類特有のヌルヌルの正体がアルギン酸です。食物繊維ですので、食事で摂取するコレステロール吸収を阻害してくれる効果があります。

血圧を上げる要因~こんなことにも注意

「腸内環境改善」も高血圧予防に効果的!

便秘をするとトイレでいきんでしまうため、一気に血圧は上昇します。 便秘の改善には食物繊維や乳酸菌が効果的。食物繊維は消化吸収されにくいため、便の嵩を増やしてくれます。また、乳酸菌は腸内環境を整えるため、腸の働きを活性化してくれるでしょう[※3]

食物繊維は動脈硬化・高血圧予防にもおすすめ

食物繊維は便秘を予防するだけではなく、体内のコレステロールを排出させるための働きも担っています。この働きによって、動脈硬化を予防することができますが、それだけではありません。 塩分の吸収を抑制させる働きもあるため、食物繊維を摂ることで、高血圧の予防にも繋がるのです[※3]

pickup

すぐにできない方へ~喫煙・飲酒の制限とともにできること

すぐにできること
~食生活の改善とともにしたいこと

現代人につきものの「食生活の乱れ」「ストレス」が活性酸素を生み、血管を傷める

過度な飲食やストレスは、私たちの体内に活性酸素を生み出してしまいます。そもそも体内に入り込む異物を排除するために必要な活性酸素ですが、これが増えすぎてしまえば、私たちの体そのものを傷めてしまう原因になるのです。血管もまた例外ではありません。
食事の内容を見直して暴飲暴食を避ける、禁煙をし、アルコールは適度に…これらが活性酸素を過剰に生まないための心得です。
抗酸化物質を含む食品を食事に取り入れることから始めるのはいかがでしょう。

ポリフェノール

お茶に含まれるカテキン、紅茶に含まれるタンニン、ゴマに含まれるセサミンなどは抗酸化物質とされるポリフェノールです。

カロテノイド

β-カロテンやリコピンなど、いわゆる色の濃い「緑黄色野菜」に含まれる物質もまた抗酸化物質です。にんじんやピーマン、かぼちゃなどを食事に取り入れてください。

参考文献