早ければ早いほど良い急性期リハビリ

患者の状態にもよりますが、くも膜下出血のリハビリは、早ければ早いほど良いとされています。状態によっては、入院当日からリハビリがスタートすることも珍しくありません。急性期におけるリハビリのポイントや流れをまとめました。

なぜ急性期のリハビリは早いほうがいいのか?

くも膜下出血の発症間もない時期のことを急性期といいますが、以前の治療では、長期の安静が必要と言われてきました。しかし、最新の医療では、症状が安定している場合、24~48時間以内と早い段階でリハビリをスタートすることがいいとされています。 では急性期のリハビリの目的とはどういったものでしょうか? 主なリハビリ目的は、以下の2つになります。

  • ・廃用症候群の予防
  • ・早期離床を目指す。

 

廃用症候群・床ずれの予防

廃用症候群とは、長期にわたって安静にしていることで起こってしまう、身体機能の低下を指します。主な症状は以下の通りです。

  • ・筋萎縮

    安静状態で長期間筋肉を使わないことにより、筋肉がやせて筋力も低下する症状

  • ・関節拘縮

    関節を動かさないことで、関節が固くなり、最悪関節が動かなくなります。

  • ・褥瘡(床ずれ)

    長い時間同じ体制で寝ていると、寝具と密着しているところの血行が悪くなります。軽度では赤くただれる程度ですが、悪化すると皮膚が壊死する可能性もあります。特にできやすいのが、腰・方・肘といった、骨が出っ張っている部分です。

  • ・その他

    じっとした状態が続くと、精神的な影響も出る可能性があり、気力の低下・うつ病・認知症といった症状が出る可能性があります。

早期離床

早期離床を目指す目的は、次の回復期でのリハビリをする際の土台を作ることにあります。そのため、座る・立つといった、基本動作ができるようにリハビリをしていきます。

ベッドで良肢位を維持する

急性期の最初の段階では容体が不安定なこともあるため、ベッド上で横になっていることが多くなります。以後のリハビリを効果的にするためには、良肢位保持が大切です。

手足を正しい位置に保つ(良肢位保持)

廃用症候群(安静が長くなることによる機能低下)を防ぐためには、ベッド上で手足を正しい位置に置くことが大事。仰向けの場合、横向きの場合、それぞれの正しい姿勢を維持します。

ベッドの背上げ

ベッドの背を上げることによるリハビリです。最初は30度・45度・60度といった感じで、血圧・心拍数をチェックしながら小刻みに上げていきます。

定期的に体位変換をする

床ずれを防ぐために、2~3時間に1回のペースで体位変換をします。床ずれは、脂肪が少ない部位で、かつ骨が突き出ている部位に多く見られます。

クリニカルパス(入院治療計画書)に従った治療スケジュール

急性期のこの時期には、クリニカルパスと呼ばれる治療スケジュールが家族に手渡されます。治療・リハビリの計画が記された大切なスケジュール表です。

ベッドで手足を動かす

ベッド上で正しい姿勢を保持しつつ、身体機能の回復を目指した初期段階のリハビリを開始します。手足を動かすリハビリが中心です。

筋肉・関節はすぐに固まる

手足の筋肉や関節は、動かさないでいるとすぐに固まってしまいます。固まらないよう、常に動かすことが大事です。

自動運動・自動介助運動・他動運動

患者が自分で手足を動かすリハビリを自動運動、介助を借りながら動かすリハビリを自動介助運動、他人に動かしてもらうリハビリを他動運動と言います。

ゆっくりと動かすことが大事

手足を動かすリハビリは、ゆっくりと行ないます。患者が痛がる場合等は、無理にやらないようにします。

ベッドで座る

手足を動かす訓練の成果などを見て、次にベッドで座る訓練へと入ります。ベッドの起き上がり機能を利用し、少しずつ座る練習を進めていきます。

体調を確認しつつ座る練習を

手足の状態や患者の体調を確認しつつ、ベッドで座る訓練をします。座る練習は、起き上がり機能付きの介護ベッド上で行ないます。

座ることで各種機能が向上する

座位になることで呼吸が楽になり、気管支の痰も取り除きやすくなります。心肺機能が向上したり、誤嚥の予防につながったり、患者によってはポータブルトイレを使えるようになったりなど、各種機能が急激に向上します。

座ることが次へのステップになる

ベッドで座ることができるようになれば、次のリハビリのステップが射程に入ります。立ち上がって歩行する、というリハビリです。

ベッドから起き上がる

次に、介護ベッド等の機能を借りずにベッドで起き上がる訓練を行ないます。ベッドを椅子のようにして座る訓練と考えてください。

まずはベッドの端に座る練習を

急に立ち上がる前に、まずはベッドの端に座る練習をします。患者の転倒防止のため、最初は介助者のサポートが必要です。

慣れたら自力で起き上がる訓練

介助者のサポートを受けて起き上がることができるようになり、かつ患者本人が起き上がるコツをつかんだようであれば、今度は自力で起き上がる訓練を行ないます。

リハビリ室での立位・歩行

ベッドを使ってのリハビリ、立ち上がりが可能になり、血圧も安定したら、リハビリ室でのリハビリも行います。リハビリ室ででは、平行棒などを使って、立つ訓練や歩く訓練を行います。