高次脳機能障害とリハビリ

高次脳機能障害とリハビリ

社会復帰の前にそびえる大きな壁「高次脳機能障害」

くも膜下出血や脳梗塞、脳腫瘍などの疾患や、交通事故などの俘虜の事故により脳が損傷受けた時。記憶・思考・言語・空間認知能力などの認知機能、精神機能に障害が残る場合があります。これらの障害を総称したのが「高次脳機能障害」です。どんな障害が残るかは、損傷を負った脳の部分により異なります。一命を取り留めて元の生活に戻ろうとする患者さんや家族にとって、高次脳機能障害は日常生活にも大きな影響を及ぼす障害です。戸惑うことも多いでしょう。 ここでは、高次脳機能障害についての基礎知識やリハビリ、受けられる支援サービスなどをまとめました。

くも膜下出血の後遺症高次脳機能障害とは

記憶障害・性格の変化が多いくも膜下出血の高次脳機能障害

脳動脈瘤が破裂し、激しい頭痛が患者を襲うくも膜下出血。くも膜下出血患者には、予後重度障害以上の予後不良が出るケースが40%と言われています。※1
くも膜下出血による高次脳機能障害は、外見上、障害があることがわかりにくい障害です。そのため、周囲の理解やサポートを得るのに苦労することも。いったいどんな障害があるのか見ていきましょう。

※1参照:『脳卒中治療ガイドライン2009』脳卒中合同ガイドライン委員会 http://www.jsts.gr.jp/main08a.html

記憶障害

単なる物忘れと誤解されがちな記憶障害

障害の程度にもよりますが、「新しいことを覚えられない」「最近のことがわからなくなる」「約束したことを忘れてしまう」など、記憶することが困難になる記憶障害。
軽度の場合は忘れっぽくなったな…と思うだけで、周囲も異変に気付きにくいケースがあります。重度の場合はクモ膜下出血発症後の出来事だけでなく、発症前の出来事もわからなくなってしまいます。

注意障害

集中できない・ぼーっとしてしまう「注意障害」

注意障害は、「ぼーっとしている」「物音や人の話し声が気になって物事に集中できない」「火を消し忘れる」など集中力できなかったり、注意散漫になったりする障害です。
注意を長時間持続させることも難しくなるため、仕事や日常生活にも大きな支障をきたします。

遂行機能障害

計画・実行が難しくなる遂行機能障害

いつもできていた家事が段取り良くこなせなくなったり、仕事を効率的にできなくなったりします。
物事を計画し実行すること対する障害が、遂行機能障害です。一つひとつ指示してもらえれば目の前のことをこなせるため、周囲の理解とサポートが何よりも大切な障害です。

社会的行動障害

意欲の低下や感情のコントロールができなくなる障害

体は元気に動かせるのに、一日中ベッドでぼーっとしている。イライラが抑えられず過剰に感情的な反応をしたり、攻撃的な行動にエスカレートしたりしてしまう。そんな症状が出るのが社会的行動障害。
興奮して怒鳴り散らす、暴力や性的行為に出るなど、反社会的な行為も多く見られます。対人関係を築くことが難しくなるため、家族も対応に戸惑ってしまう障害です。

ほかのくも膜下出血後遺症をチェック

注意点・リハビリ方法

リハビリ方法と対応方法の注意点

対応の工夫やリハビリで日常生活復帰を目指そう

高次脳機能障害によって現れる様々な障害は、家族や周りの方だけでなく、患者さん本人にとっても不安や戸惑い、絶望を感じてしまう障害です。そのため、高次脳機能障害の方への支援だけでなく、家族への支援も必要とされています。

高次脳機能障害は周囲の対応をほんの少し工夫するだけでも、患者さん本人の自立ある生活の後押しとなります。障害ごとにリハビリテーションと、対応方法の注意点を知りましょう。

  • 記憶障害

    リハビリ

    記憶障害のリハビリを行う場合には、まず様々な記憶検査によって記憶障害の重症度や他の認知障害の有無、記憶障害のある領域などを把握します。その後、患者さんに合わせて、覚えることを何度も繰り返し行う「反復訓練」や、一日のうちに行わなければならない事柄をリスト化しアラームセットするなどして環境を整える「環境調整」などのリハビリが行われることとなります。

    対応の工夫

    記憶障害がある場合でも、繰り返しの練習により記憶できるようになるケースがあります。周囲はメモやスケジュール帳など、記憶を補うツールを使いながら対応していくといいでしょう。

  • 注意障害

    リハビリ

    注意障害のリハビリは初期にはどんな障害があるのか、日常生活でどんな行動をしているのかの観察から、障害の程度を評価していきます。そしてその方にあったリハビリを実施します。

    初期段階では、短時間でマンツーマンでのリハビリを行うのが一般的。パズルやゲームなど、基礎的な課題をこなすリハビリに加えて、辞書調べ・電卓計算・校正作業といった実用的な応用的なリハビリを行います。

    対応の工夫

    職場復帰する場合には、職場の理解も必要となる注意障害。どの程度注意を持続できるかを把握して、その範囲内で作業や仕事を終わらせられるようにしましょう。また、仕事をする場合には、できるだけ静かな場所を用意してあげることも大切です。

  • 遂行機能障害

    リハビリ

    物事を順序だてて計画することがむずかしくなる遂行機能障害。マニュアルを使って手順通りに作業をする練習や、一緒に解決方法・計画づくりなどする訓練が、リハビリとして用いられます。ワークブックを使ったり、組み立てキットを使ったりする他、実際に職業生活や日常生活で必要となる課題をこなして練習します。

    対応の工夫

    遂行機能障害のある方の場合、仕事や家事などをどの手順ですればいいのか、一つひとつ書き出して作業を単純化することで、通常と同じように仕事ができるようになります。突発的なトラブルなどの解決は苦手となりますから、周囲もその点を理解してサポートしてあげるといいでしょう。

  • 社会的行動障害

    リハビリ

    暴力や大声をあげる、自傷行為をするなど、問題行動がしばしば見られる社会行動障害。リハビリでは気持ちをコントロールする練習をします。社会的に「正しい」とされることを行えたときに誉めたり、社会的に不適切なことをした際に、訓練担当者がその場を去るなど、対人体験などの手法が用いられます。問題行動がどんな時に起こるのか、パターンを把握することも大切です。

    対応の工夫

    患者さんは高次脳機能障害があることに対して、不安や焦りを感じています。そんな気持ちが引き金となり、反社会的行動がエスカレートする場合もありますから、本人の意思や存在を尊重しましょう。突然の変化が苦手であると周りが理解してあげ、興奮状態になってしまった場合には。話題や場所を変えるなどしてあげましょう。

参照:『リハビリテーションマニュアル 高次脳機能障害者支援の手引きⅠ』国立身体障害者リハビリテーションセンター,2006[pdf]

活用したい支援制度

介護給付や訓練等給付が使える高次脳機能障害

高次脳機能障害のある方に向けて、行政では様々な支援制度を設けています。 残った障害の程度や、どのくらい日常生活のさまざまな行動を自力でできるかによっても、受けられるサービス内容は異なります。支援制度の利用には申請などの手続きが必要です。 支援サービスの利用は、お住いの市区町村にある福祉課などの窓口で詳しく相談することができます。

「障害者総合支援法」に基づくサービス

脳血管疾患によって高次脳機能障害が残った方の場合、原則40歳未満の方であれば、「障害者総合支援法」に基づくサービスが利用できます。 「障害者総合支援法」に基づくサービスとは、具体的には在宅介護や生活介護などの介護給付、自立訓練や就労移行支援などの訓練等給付といった、市区町村の提供する自立支援サービスです。

その他、障害の程度に合わせて自立生活支援用具などの器具のレンタルや給付、生活に関する相談支援、移動支援など様々なサポートが用意されています。 「障害者総合支援法」に基づくサービスを利用するには、障害支援区分の認定を受ける必要があるため、市区町村の窓口に申請しましょう。障害支援区分の認定が下りると障害者手帳が交付され、ケアマネージャーなどによるサービス利用計画案の作成を受け、必要なサービスを利用できるようになります。

サービス利用に係る費用は、所得に応じて負担上限月額が決められており。最大3万7,000円ほどの負担上限月額となりますので、介護が必要な方にとっては、ありがたい支援体制となるでしょう。

「介護保険制度」に基づく介護サービス

「介護保険制度」に基づくサービスは、65歳以上で介護や支援が必要な方、 もしくは40歳以上で、脳血管疾患などの特定疾患による高次脳機能障害などにより、要支援・要介護になった方を対象とした、介護保険制度に基づく自立支援サービスです。

利用できる介護サービスは住宅改修、訪問介護サービス、デイサービスなど、在宅生活を送る方のためのサービスと、入所施設などがあります。 ただし自立訓練や就労移行支援といったサービスは介護保険サービスには含まれないので、必要な方は障害福祉サービスを合わせて利用しなくてはなりません。

参照:厚生労働省『障害福祉サービスの利用について』平成27年4月版[pdf]
参照:厚生労働省『介護保険の解説|介護サービス情報公表システム』

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すぐにできない方へ~喫煙・飲酒の制限とともにできること

回復の助けとなるもの

高次脳機能障害の回復を助けるために必要なもの

高次脳機能障害は、「体は元に戻ったものの、日常生活に戻りづらい」という悩ましい障害です。 患者自身・介護者を心理的に疲弊させるものです。回復するには、半年ぐらいかかる人もいれば、十数年もかかる人もいますので、リハビリを長く続けられることが大事です。
高次脳機能障害を抱えている患者さんは、自分の感情をコントロールできないため、焦りやイラつき、落ち込みなどのストレスが生じやすいです。ポジティブにリハビリに取り組んでもらうことが大事です。

血流を改善することで体の不調はもちろん、心の不調も解決できます
患者さんの心身を回復させるには、血流を改善することをおすすめします。血流は全身にある細胞に酸素や栄養を届けるという大切な役割を担っています。
さらに、幸せホルモンややる気ホルモンと呼ばれる脳内の神経伝達物質の働きも、血流によって左右されています。体の不調はもちろん、心の不調まですべて解決することができます。

「大豆発酵エキス」はリハビリの助けや再発予防につながります
血流を改善するには、体内の活性酸素を除去することが必要です。活性酸素を除去できる抗酸化成分は 様々な食品から摂取できますが、4種類もある活性酸素すべてに効果を発揮してくれる成分は大豆発酵エキスだけです。さらに、高血圧や動脈硬化を改善する効果も実験により検証され、くも膜下出血の再発予防への効果も期待できます。くも膜下出血の後遺症で苦しんでいる患者さんの中で、大豆発酵エキスを飲んでから「リハビリを頑張れるようになった」「体の調子がよくった」などを感じた方が多いです。

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