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Q&A(イメージ)

救急車がくるまでにすべきことは?

生死や予後を分けるかもしれない、重要な知識です!

くも膜下出血などの重大な脳疾患で倒れた場合、命を助けるためにどのような行動を取るべきか?救急車を呼ぶタイミング、来るまでにするべきこと、してはいけないことなどをまとめています。

くも膜下出血かも!さあどうする?

くも膜下出血を発症した場合、一刻も早い病院への搬送・治療の開始が何よりも大切です。1分でも早い治療が、生死やその後の回復率を大きく左右します。しかし実際、くも膜下出血が疑われるような症状が自分に起こった場合、もしくは周りの人が突然頭痛を訴えて倒れた場合、どうすればよいのでしょうか?

救急車を呼ぶタイミング

「いつもと違う」と感じたら、迷わず救急車を呼びましょう

くも膜下出血を強く疑う症状は、これまでに経験したことがないような激しい頭痛です。バットで殴られたような痛みと表現されることもあります。頭痛が発生している場合、すでに出血が起きている可能性が高いため、迷っていられません。すぐにでも救急車を呼び、1分1秒でも早く病院に搬送してもらいましょう。

まだ出血が起きていない場合は、手足のしびれや頭痛、普段と目の見え方が違うなどの異常を感じます。こういった場合もすぐに救急車を呼び、検査を受けなければなりません。そもそも、普段とは違う異常が発生しているということは、健康な状態ではありません。特にくも膜下出血を疑うような症状があった場合は迷わずに救急車を呼んでください。

ろれつが回らない、手に力が入らない、顔と手足の感覚がおかしい、自分の言いたいことが伝えられない、バランスが取れず歩けないなどの症状も代表的なものとして覚えておきましょう。

初期の症状が現れた場合、何となく異常を感じているけれど、救急車を呼ぶほどではないのでは…と感じることもあるかもしれません。しかし、発症後最低でも6時間以内に初期治療を受けられるかどうかによって悪化を食い止められるかどうかが大きく変わってくるのです。

参考文献:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービスHP[2]『脳梗塞が起こったら』

救急車の呼び方

119番に通報したあと、救急だと伝えます。病人の氏名と性別、年齢、症状について聞かれるのでわかる範囲で答えましょう。家族で病人のこれまでの病歴や薬の服用についてわかるようであればこちらも伝えます。住所も聞かれますが、自宅で倒れてもパニックになって住所が出てこないことがあるので電話の前に住所のメモを貼っておくと安心です。

参考文献:東島俊一(2012)『イラストでわかる 脳卒中ー治療後・退院後の生活・リハビリ・食事』下政宗監修,法研.P20-P21

救急車が到着するまでにするべきこと

安全で平らな場所に寝かせ、本人が楽な状態に

救急車を呼んだら、到着までの間にすべきことは以下の3つです。

少しでも本人が楽な状態を保ち、また窒息に気を付けたり、それ以上の症状の悪化を防ぐことがポイントです。

  • 広く平らで安全な場所に体を横たえ、楽な姿勢にする
  • 身体を圧迫するネクタイやベルトをゆるめる
  • 窒息する可能性があるため、吐瀉物が口の中にある場合は取り除く

広い場所に寝かせるのは発作的に暴れたり、痙攣を起こしたりする可能性があるためです。あたりにあるものは片付けておきましょう。自分自身がなった場合、自分で広く安全なところを探して歩き回るのはNG。脳への血流が悪くなり、残ってしまう障害が甚大なものとなる恐れがあります。

すぐに安全で広い場所に移動できない場合、毛布などの上に患者さんを寝かせ、数人がかりで毛布に乗せた患者さんを運ぶのが理想です。(※1)

呼吸をしているものの苦しそうな場合は、あおむけにしてあごを上げて気道を確保します。呼吸を確認して脈がない場合、心臓マッサージをしましょう。両手を重ねて胸の中央に置いたら、1分間に100回の目安にして真上から強く押します。もし、近くにAEDがあるようであれば、AEDを使用したほうが効果的です。(※2)

(※1)参考文献:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービスHP[2]『脳梗塞が起こったら』

(※2)参考文献:東島俊一(2012)『イラストでわかる 脳卒中ー治療後・退院後の生活・リハビリ・食事』下政宗監修,法研.P20-P21

救急車が到着するまでにしてはいけないこと

絶対NGなのは「揺さぶる」「体をさする」こと!

家族にくも膜下出血の症状が出てしまい、様子がおかしいと心配になりますよね。ですが、意識を確認するためだとしても身体を揺さぶる行為はNGです。身体を揺さぶった場合、それによって出血が広がって状態が悪化する可能性もあります。意識があるかどうかを確認する際には軽く頬を叩くなどの方法を取るのが正しいです。

心配だからといって思わず救急車が到着するまでに本人の手足をさすってしまうこともあるかもしれませんが、これも血管を温め、血行を促進させるリスクがあるのでやめましょう。

救急車に乗る際に準備するもの

携帯・財布・家のカギの他に持っていくべきものとは?

救急車を呼び、患者を安全な場所で安静にさせたら、到着までの間に持っていくものの準備をしておくことをお勧めします。突然のことで気が動転しているかもしれませんが、持って行った方が良いものを以下にまとめました。

  • 現金(病院での支払い、帰りのタクシー代など)
  • 保険証、診察券
  • 靴、上着(患者のもの)
  • 普段飲んでいる薬、お薬手帳
  • 筆記用具

その他、自宅に誰もいなくなる場合には火元の始末や戸締りをしっかり行いましょう。

また、ペットを飼っている場合は1~2日分の餌を用意しておくのも良いでしょう。

もしもの場合に備えて

危険因子を持っている場合は周囲に伝えるなどの工夫を

突然発症して倒れることが多いと言われるくも膜下出血。また、一度発症すると、回復してもその後再発する確率は10年で80%と非常に高いものとなります。特に、「未破裂の動脈瘤がある人」「一度くも膜下出血を起こしたことがある人」は、いつ発症してもおかしくない危険が常にあります。このような危険因子が指摘されている場合は、周囲にあらかじめ状態を伝えておくこと、また、救急隊員が状態を知ることのできるメモなどを持ち歩いておくことをお勧めします。

くも膜下出血治療は時間との勝負です。急に発症した場合、周りの人の素早いサポートがあればそれだけ回復率が高くなるとも考えられるのです。

一方で、一人の時に倒れてしまうとそのまま亡くなる可能性が非常に高くなります。そのため、高血圧や飲酒・喫煙が多い人、生活習慣病などの危険因子がある場合は、定期的な脳ドックなどを受けることでくも膜下出血のリスクを把握しておくことも大切と言えます。