動脈硬化

動脈硬化

血管の老化が血液の流れを悪くする

「動脈硬化」という言葉を耳にする機会は多いですが、そもそも動脈硬化の状態や原因についてはご存知でしょうか。実は動脈硬化は、くも膜下出血の発症リスクを高める大きな要因のひとつ。こちらでは、動脈硬化についての基本的な知識と、くも膜下出血との関係性についてご紹介しています。

動脈硬化はどんな状態をいうの?

動脈硬化は血管の弾力性がなくなり、血液がうまく流れない状態

動脈硬化とは、血管の弾力性が失われて、硬く脆くなってしまい、血液が流れにくくなる状態のことです。

高血圧などの血管に負担がかかる症状がある場合、血管の中が傷つけられることが多く、血管の壁には白血球が付着するようになります。その後、血管に付着した白血球は血管の壁の中に侵入して、「マクロファージ」と言われる状態に変化し、脂肪などの物質を血管の壁の中に溜めこむのです。

このようにして、血管の壁が分厚く硬くなり、狭くなった血管の内部では血液の流れが阻害されるようになります[※1]

動脈硬化は若い人でも発症する可能性が

動脈硬化のそもそもの原因は、血管が老化してしまうことなので、年齢によって症状は進行しやすい傾向があります。ですが、悪玉コレステロールが体内に増えることによって、若い人でも動脈硬化になってしまう可能性も。

悪玉コレステロールは血管の内部に入り込み、血管の壁に付着します。悪玉コレステロールが付着した血管は弾力性がなくなり、動脈硬化の状態に変化。さらに、コレステロールが血管の中に蓄積すると、血管の内部に「プラーク」と呼ばれるコブができるようになります。

プラークが何らかの理由で破れてしまうと、傷を修復するための血小板が集まってきて、血液の流れを阻害する「血栓」へと変化するため注意が必要です。

動脈硬化の原因とは?

動脈硬化のリスクを高める「5つの危険因子」

動脈硬化になる原因には、「5つの危険因子」が存在すると言われています。その危険因子とは、次のようなものです[※1]

  • 高血圧

    高血圧は動脈硬化についての解説の項でも触れたように、血管の壁を傷つける大きな要因となるのが高血圧です。 血圧が高いということは、血液の流れが激しいということを指し、高血圧になると血管の壁に負担がかかり続けます。ダメージを負った血管の壁には白血球が付着しやすくなるため、動脈硬化の進行に繋がります。 一般的に「最高血圧140mmHg以上/最低血圧90mmHg以上」が、動脈硬化が進行する可能性の高い数値です[※1]

  • 高脂血症

    高脂血症は血液の中に脂肪分が多く含まれている状態のことで、この脂肪分の中には悪玉コレステロールや中性脂肪が含まれています。これらの脂肪分が血液中に多く存在していると、その分血管の壁に付着する量も多くなり、動脈硬化の進行に繋がる、というメカニズムです[※2]。 動脈硬化が進行しやすい数値としては、「総コレステロール値220mg/dl以上」「LDLコレステロール血140mg/dl以上」「HDLコレステロール値40mg/dl以下」となっています[※1]

  • 喫煙

    喫煙は高血圧の原因として知られていますが、それは、ニコチンが交感神経を活発にするためです。また、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを低下させるため、血管にとってはかなりの負担を強いることになります[※1]。 また、喫煙は血管の壁に大きなダメージを与える要因にも。たばこの中には酸化物質が入っており、体内に入った酸化物質は、血管を錆びつかせて老化させます。 動脈硬化は血管の老化によって引き起こされるものなので、喫煙をするだけで動脈硬化は進行することになるでしょう[※3]

  • 肥満

    肥満体型の方は血液の中に脂肪が多くなりやすい傾向があり、高血圧や糖尿病になりやすいと言われていますが、これは、内臓脂肪が多く蓄積されることに端を発します。 肥満の定義としてはBMI値を用いるのが一般的で、BMI値が24.2以上では肥満気味、26.4以上では肥満とされています[※1]

    ・体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))=BMI値

  • 糖尿病

    糖尿病では高血圧になりやすく、血液中の脂肪の増加、善玉コレステロールの低下などが見られるようになります。これらは全て動脈硬化の危険因子となっているため、糖尿病の方は動脈硬化予防に努めることが大切[※1]。 また、糖尿病は肥満とも結びついているため、糖尿病を予防することは、肥満を予防することとほぼ同じとなるでしょう 。

なぜ動脈硬化が
くも膜下出血のリスクを高めるのか

動脈硬化が「脳動脈瘤」の原因とも考えられている

くも膜下出血の原因は、脳内の動脈の中にできた「脳動脈瘤」という血管内のコブが破れることです。脳動脈瘤がなぜできるのか、という原因は明らかになっていませんが、動脈硬化や高血圧が原因のひとつであると考えられています[※4]

先天的に、血管に弱い部分がある場合、動脈硬化による血管への負担が加わり、脳動脈瘤ができると言われています。高血圧は血管に大きな負担をかけますし、動脈硬化は血管が破れやすくなった状態です。これらの原因によって、くも膜下出血を発症するリスクが高くなっていたとしても、不思議ではないでしょう。

更年期以降女性は動脈硬化のリスクが急増

女性ホルモンの「エストロゲン」には動脈硬化予防の働きが

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」がありますが、更年期以降にはエストロゲンが減少してきます。

実はエストロゲンには、血管の弾力を保つための働きと、悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、女性の動脈硬化予防に大きな役割を果たしているホルモンです。エストロゲンが減少すると中性脂肪も増えやすくなるので、動脈硬化の要因である肥満に結びつくことも考えられます。

エストロゲンは閉経後に急激に減少してくるため、50歳前後以降の女性は、積極的に動脈硬化への予防をする必要があるでしょう。

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動脈硬化のある方が今できるくも膜下出血予防

動脈硬化の原因を知って脳血管年齢を若返りをはかる

血管年齢が高い方は血管を若返らせることでくも膜下出血を予防できます。動脈硬化を引き起こす要因として高脂血症・肥満・活性酸素・塩分・ストレスがあります。肥満になると血液中の脂肪分が増えて高脂血症になります。

高脂血症は血液中の総脂質(中性脂肪・コレステロール等)が増えた状態です。脂肪分が増加すると血液がドロドロになり血流が悪くなります。悪玉コレステロールが血管に沈着すると、活性酸素によって酸化して動脈硬化が進みます。

活性酸素には体内の物質を酸化させる働きがあり、増加すると老化現象を促進して動脈硬化を引き起こします。くも膜下出血を予防するには、減塩や運動、食事制限、抗酸化物質の摂取が効果的です。

参考文献