番外編 遺伝

遺伝

くも膜下出血を起こしやすい「要因」が遺伝する

くも膜下出血を発症する要因のひとつに遺伝があります。間接的な要因ですがどのような関係があるのでしょうか。家族にくも膜下出血を発症した人の体験談をもとに、くも膜下出血と遺伝の関係をみていきましょう。

くも膜下出血と遺伝関係

遺伝するのは「危険因子」

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は遺伝性が高く、家族や親族にくも膜下出血や脳梗塞などを発症した人がいると、リスクが高くなるといわれています。通常の人に比べると発症率が2倍になり、そのことから遺伝が影響していると考えられています。

くも膜下出血そのものが遺伝すると思われがちですが、実はそうではありません。くも膜下出血につながる危険因子が遺伝したり、体質的に受け継いでいたりすると発症しやすくなるので、間接的に影響を与えていると考えらえます。

例えば、脳動脈瘤が破裂する原因として高血圧がありますが、高血圧は体質的に遺伝しやすく、親から子へ受け継ぐと、くも膜下出血のリスクが高くなります。

身内と同じ
くも膜下出血を起こした方の体験談

くも膜下出血の原因となる症状が、遺伝していると知っていたから未然に発症が防げた事例を紹介していきます。

父親のくも膜下出血の不安をかき消すために健康管理に注意する

Uさんの父親はお酒好きで、その日も晩酌をしていました。突然、右手に力が入らなくなり、頭痛がすると言うと、そのまま意識を失っていびきをかき始めました。すぐに救急車を呼んで病院に搬送されましたが、40歳を手前にして帰らぬ人となりました。

父親は肥満気味でお酒とタバコが欠かせなかったので、Uさんは誘われた時以外、お酒は飲まず、定期健診もきちんと受けていました。健康管理に気をつけていましたが、それでも不安がありました。

40歳を目前に頭痛に襲われる日々が続いて脳ドックを受ける

Uさんは父親と同じ40歳を迎える頃、仕事で踏ん張りがきかなくなり、疲れやすくなっていました。しかも数か月前からふいに頭痛に襲われるようになり、そんなときは決まって全身に力が入りません。異変を感じたUさんは、かかりつけの内科医に相談したところ、脳外科でMRIを受けることを勧められます。そこで会社で実施している健康診断の時に、脳ドックも一緒に受けることにしました。

脳動脈瘤を発見。経過観察中に頭痛に襲われるくも膜下出血を疑う

まさか脳動脈瘤ができているとは思ってもいなかったので、検査結果を待っている間、「今日のランチは何を食べようか」と考えていました。診察室に入るとMRI画像を見せながら、気になる脳動脈瘤が1つあり、父親もくも膜下出血で亡くなっているので、半年に一度、経過観察が必要といわれました。数ヵ月後、Uさんは頭痛で目が覚めると、脳動脈瘤破裂を疑います。その日は会社を休んですぐに病院に行ってMRI検査を受けました。

セカンドオピニオンを受けて破裂を避けるための手術を決意。

Uさんの脳動脈瘤は数か月前より大きくなり、このままだと破裂する危険があることがわかりました。医師にクリップと呼ばれる手術を勧められましたが、念のためセカンドオピニオン外来を受けることにしました。インターネットでセカンドオピニオン外来を探し、最初に診断された通りのことを伝えると、結果は変わらず手術が必要であるといわれ、手術を決意。脳ドックで動脈瘤を見つけもらった医師に手術をしてもらうことになりました。

くも膜下出血は脳ドックで早期発見・早期手術が生死を分ける

手術は大成功。脳ドックを受けたおかげでUさんの人生は大きく変わり、くも膜下出血で亡くなった父親よりも長生きできる喜びを実感しています。脳動脈瘤が破裂すると後遺症を残す恐れがあります。くも膜下出血を避けるためにも脳ドックを受けて、異変を感じたら、すぐに検査を受けて早めに手術を受けことが大切です。

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遺伝の可能性がある方が今できること

食生活や英克習慣を改善して遺伝によるくも膜下出血を予防する

くも膜下出血を引き起こす要因の一つに体質的な遺伝があります。高血圧や動脈硬化は体質的に遺伝し、さらに食生活や生活習慣が影響を与えていることも多く、これらの改善がくも膜下出血の予防にもつながります。

高血圧や動脈硬化を引き起こす原因として、塩分過多や肥満、高脂血症、活性酸素の影響があります。これが重なると血液中の塩分濃度や悪玉コレステロールが増加して、血液がドロドロになり、高血圧や動脈硬化を引き起こします。

食事内容を見直して、減塩や脂質、カロリーのコントロールをしたり、暴飲暴食を控えたり、適度な運動を心がけましょう。また抗酸化物質を摂取して活性酸素を抑えことも効果的です。